メカニックRyoによるエアコン豆知識

10.23.2023 | カテゴリー, メンテナンス・修理部門, Ryo Okuda's Blog

クルマのエアコンの原理について、みなさんご存知でしょうか?

 

実は、クーラーとヒーターはまったく異なる原理で動いています。

クーラーは、「気化熱」と呼ばれる特性を利用しています。気化熱は、液体が気体に変わる時に熱を奪う性質を指します。例えば、お医者さんで注射をする時、アルコールで腕を拭かれると、腕が冷たく感じることがありますよね。これは、アルコールが水よりも早く気化するからです。アルコールが気化する際に、体温を奪って冷たく感じるんです。

 

車のエアコンは、エアコンガス(液体)がエバポレーターと呼ばれる部品の中で高圧から低圧になり、霧化(気化)するときにエバポレーター周辺の温度が下がります。そして、その冷たくなった部分にプロアモーターで発生した風を当てることで、冷たい空気が生成されます。もしガスが漏れると、エアコンの効果が低下してしまいます。

 

 

 

一方、ヒーター(暖かい空気)はより単純な仕組みで動いています。エンジンがオーバーヒートしないように冷却している冷却水(約80℃)に風を当て、温風を生成します。ただし、エンジンが十分に冷えている時でないと、ヒーターは機能しません。

 

 

 

運転者はこれらの機能をスイッチで調整し、冷たい風と暖かい風を混ぜ合わせて、快適な温度を車内に保ちます。また、最近の車ではオートエアコンが一般的で、吹き出し口の位置や風量だけでなく、温度の設定や風向きも自動的に調整され、快適な車内環境を提供します。吹き出し口の場所も寒い時は足元からのみで頭がのぼせないように、暑い時は顔からのみから風を出し足元が冷えないようになどしていますよ。ミニバンなど一部の車種では、後部座席用に独自のエアコンユニットが備わっており、運転席と助手席では別々に設定が可能です。

 

車のエアコンは、複雑ながら効率的な熱交換プロセスに基づいています。圧縮機で冷媒を圧縮し、それを凝縮器で冷やして液体に変え、膨張弁を通過させて急激に膨張させることで、周囲の熱を吸収し、室内の空気を冷やします。このような仕組みによって、私たちは日常的に快適な室温を維持することができるのです。
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