アメリカの車の維持費は年間いくら?保険・税金・値落ちなど6つの費用
11.04.2026 | カテゴリー, アメリカ生活ガイド

アメリカで車を持つ費用を考えるときは、ガソリン代や保険料に加えて、車の値落ちやローンの利息まで含めた総額で見ることが大切です。
米国の自動車関連団体AAAが2026年9月に公表した試算では、新車を5年間、年間1万5,000マイル走る条件で、所有・使用にかかる総コストは平均で年間1万2,863ドルです。
新車を前提にした全米平均なので、中古車の場合やロサンゼルスでの実際の金額とは違ってきます。
この記事では、その内訳と、自分の条件で維持費を見積もる方法を紹介します。
まずは動画で全体像をつかみたい方は、こちらをご覧ください。
アメリカに車検はある? 日本とは違う維持費の考え方
日本で車を持った経験がある方ほど、「2年ごとの車検が大きな固定費」というイメージをお持ちではないでしょうか。
アメリカでは、この前提が当てはまりません。
全国共通の車検はなく、ルールは州が決める
アメリカには、連邦政府が一律に義務づける日本型の車検制度がありません。
安全検査や排出ガス検査の内容・頻度は州や地域によって異なり、安全点検を求める州もあれば、ほとんど検査のない州もあります。
カリフォルニア州の場合、中心になるのは「スモッグチェック」と呼ばれる排出ガス検査で、ロサンゼルスなどの対象地域では原則として2年に1度、登録更新のタイミングで受けることになります。
ただし、電気自動車は検査が免除されるほか、ガソリン車やハイブリッド車でも年式の新しい車は登録更新時の検査が免除され、代わりにスモッグ免除料(smog abatement fee)を支払う仕組みです。
所有者が変わるときや州外から車を持ち込むときは、条件が変わります。
検査が必要かどうかは、DMVから届く登録更新通知や、カリフォルニア州の自動車修理局(BAR)の案内で確認できます。
また、カリフォルニアのスモッグチェックは、日本の車検のように税金や保険料、整備費をまとめて支払う制度ではありません。
そのため、検査そのものの費用よりも、値落ちや保険料、登録費用といった別の費目が総コストを大きく左右します。
車の負担を比べる物差し「所有・使用にかかる総コスト」
では、何を基準に車の費用を比べればよいのでしょうか。
答えは、購入してから手放すまでにかかる費用の合計です。
アメリカでは「コスト・トゥ・オウン(Cost to Own)」という言い方がよく使われます。
日本語でいえば「所有・使用にかかる総コスト」です。
年平均や1マイルあたりで比べる
総コストを保有年数で割れば年平均、走行距離で割れば1マイルあたりの金額になります。
AAAの試算は、新車を5年間、合計7万5,000マイル(年間1万5,000マイル)走る条件で計算しています。
年間1万5,000マイル(約2万4,000km)は、車種どうしを比べるためにAAAがそろえている条件で、平均的な走行距離という意味ではありません。
候補の車を比べるときも、保有期間と走行距離の条件をそろえることが大切です。
AAAの試算で集計される費目は、次の6つです。
- 減価償却(車の価値が下がる分)
- ローンの利息などの融資費用(現金一括で購入する場合は原則として発生しません)
- 燃料代
- 自動車保険料
- 登録料・税金
- メンテナンス・修理・タイヤ代
根拠となるデータはAAAの調査
この試算は、AAA(American Automobile Association、通称トリプルA)が毎年発表している「Your Driving Costs」という調査です。
AAAは日本でいえばJAFに近い存在で、ロードサービスを中心に、旅行サービスや会員割引なども提供しています。
車の所有コストを知るための代表的なデータの一つです。
6つの費目と、金額が変わる主な要因
AAAの2026年版の数字(新車を5年間、年間1万5,000マイル走る場合の全米平均)は次のとおりです。
AAAが公表した年間総額は1万2,863ドルで、月に直すと約1,072ドル、1マイルあたりでは約86セントです。
この金額は、7つの車種区分の売れ筋車種をもとにした平均で、対象車の平均希望小売価格(販売台数による加重平均)は約3万9,400ドルです。
保険料は「65歳未満・運転歴6年超・無事故で、郊外または都市部に住む人がフルカバーの保険に入る」、融資費用は「頭金15%・5年ローン・全米平均金利」という条件で計算されています。
燃料代は2026年5月までの1年間の平均価格で計算されていて、レギュラーガソリンは1ガロン約4.15ドル、EVの自宅での充電は1kWhあたり18セントです。
外出先の急速充電を使う場合は、充電料金がこの想定を上回ることがあります。
動画では2024年版の数字(年間約1万2,300ドル)を紹介しましたが、この記事では最新の2026年版を使っています。
2026年版は計算方法が見直されているため、前年以前の数字とはそのまま比べられません。

最大の費目は「値落ち」
6つの中で最も金額が大きいのは、減価償却です。
月に直すと、約370ドル分の価値が下がっていることになります。
実際の値落ちは毎月一定ではなく、購入直後やモデルチェンジ、中古車市場の状況などによって変わります。
請求書が届く費用ではないので気づきにくく、売却や下取りのときに初めて金額として見えてきます。
売るときに値段がつきやすい車を選ぶと、総コストを抑えやすくなります。
燃料代と保険料は平均値だけで判断しない
燃料代の約2,598ドルは、ピックアップトラックやSUV、ハイブリッド車・EVも含めた平均です。
燃費の良いハイブリッド車であれば、平均より抑えられる余地があります。
保険料の約2,098ドルも、上の条件で計算した平均です。
補償の厚さ、運転歴、住んでいるエリアによって保険料は大きく上下するため、平均値ではなく自分の条件で見積もりを取ることが欠かせません。
登録費用と整備費は、それぞれ別の要因で変わる
カリフォルニア州の登録費用は、車両の価格だけでなく、車種や登録する地域など複数の要素で決まります。
車両価値に連動して下がっていく費用もありますが、固定の費用や地域ごとの費用もあるので、全体が毎年下がるとは限りません。
また、AAAの「登録料・税金」には購入時に支払う税金や手数料も含まれており、毎年の登録更新費と同じものではありません。
実際の金額は、DMVの計算ツールや販売店の見積書で確認できます。
整備・修理費の項目には、メーカー指定の定期整備に加えて、延長保証の費用や、5年間で1回分のタイヤ交換も含まれています。
大径ホイールの低扁平タイヤは、一般的なサイズより交換費用が高くなりがちで、車の重さやタイヤの種類、運転のしかたによっては減りも早くなります。
新車保証の期間中でも、タイヤやブレーキパッドの摩耗による交換や、オイル交換などの定期整備は、一般に保証の対象外です。
バッテリーは、12Vの補機用バッテリーとハイブリッド車の駆動用バッテリーで保証の条件が異なるため、車両の保証書でご確認ください。
日本の方が誤解しやすい3つのポイント
ここまでの内容を踏まえ、日本から来た方がつまずきやすい点を3つにまとめます。
誤解1:車検がないから維持費は安い
検査の費用は小さくても、値落ちや保険料、登録費用といった別の負担があります。
「車検がないから日本より安いはず」と考えて予算を組むと、実際の年間コストが想定を上回ることがあります。
誤解2:ローン金利はだいたい同じ
アメリカの自動車ローン金利は、借り手の信用履歴(クレジットヒストリー)によって大きく変わります。
信用情報機関Experianの2026年第2四半期の調査では、新車ローンの平均APR(手数料なども含めた実質年率)は、信用スコアが高い層で4〜6%台、低い層では13〜16%台でした。
中古車ローンは、同じ信用の層でも新車より高めです。
収入や借入額、頭金、返済期間、新車か中古車かによっても金利は変わります。
渡米直後で信用履歴がまだない場合は、金利が高くなったり、頭金を多く求められたりすることがあります。
誤解3:保険は最低限でよい
州が定める最低補償だけで済ませると、事故の際に自己負担が膨らむおそれがあります。
補償額と保険料のバランスは、複数の保険会社から見積もりを取って比べるのがおすすめです。
渡米して間もなく、クレジットヒストリーがまだない方には、購入やローンを急がずに「借りる」という選択肢もあります。
エコドライブのフレックスリースのように、クレジットヒストリーがなくても独自の審査で利用できるリースもあります。
料金や利用条件は、サービスページで最新の内容をご確認ください。
私の失敗談:年利23.99%のローンで学んだこと
エコドライブ代表の私自身、渡米直後にこの費用の重さを思い知りました。
約20年前、アメリカに来たばかりで車が必要になり、ローンを組んで1台買いました。
クレジットヒストリーがなかったので、組めたのは年利23.99%のローンだけでした。
選んだのは、当時憧れていたアウディです。
ところが、私が買ったその車は故障が続き、修理のたびに高い請求が来ました。
保険料も税金も高く、高金利の返済と合わせて出費はふくらむ一方でした。
手放すときには価値が大きく下がっていて、売値は買値を大きく下回りました。
振り返ると、6つの費目のうち金利・修理費・保険・税金・値落ちの5つで、負担が重なっていたわけです。
この経験から、私は日本車、特にトヨタの車に惹かれるようになりました。
もちろん、これは私が買った1台の話で、実際の負担は車の状態や購入条件によって変わります。
今もエコドライブでは、「買うときの値段より、持っている間にいくら出ていくか」という視点で車をおすすめしています。
購入前にできる維持費シミュレーションの手順
最後に、車を選ぶ前に自分でできる試算の手順です。
まず、車を何年間使い、その間に何マイル走る予定かを決めます。
そのうえで、同じ期間について次の6つを金額で見積もります。
- 値落ち:購入価格から、手放すときに受け取れそうな金額を差し引いた額
- 融資費用:ローンを使う場合の利息や手数料(提示されるAPRと返済期間で確認)
- 燃料代:走行距離、候補の車の実燃費、地域のガソリン価格から計算
- 保険料:保険会社からご自身の条件で取った見積もり
- 登録料・税金:購入時の税金や登録費用と、保有中の更新費用(DMVの計算ツールなどで確認)
- 整備・修理・タイヤ:定期整備や消耗品の交換、想定される修理の費用

この6つを足した額が総コストの目安で、保有年数で割ると年平均になります。
なお、駐車場代や有料道路の料金、EVの場合は自宅の充電設備の購入・設置費用なども、必要に応じて別に見込んでおきましょう。
車の代金は値落ちとして数えているので、ローンの元本や頭金は別に足さないでください。
売却額は将来の相場や車の状態で変わるので、同じ車種・年式・走行距離の中古相場を参考に、幅を持たせて見積もりましょう。
あわせて、購入時の頭金や毎月の支払いが予算に収まるかも確認しておきましょう。
複数の候補で同じ計算をすると、総額では車両価格の高い車のほうが安くなる場合もあります。
エコドライブでは、トヨタのハイブリッド車を中心に取り扱っています。
候補の車の年式や走行距離を比べてみたい方は、エコドライブの購入サイトから在庫をご覧ください。
まとめ:車両価格ではなく「持つ期間の総額」で選ぶ

AAAの試算では、新車を5年間、年間1万5,000マイル走ると、平均で年間1万2,863ドルかかります。
その中身は車検代ではなく、値落ち・融資費用・燃料・保険・税金・整備の6つです。
中でも値落ちと融資費用は、車種の選び方や信用状況、購入条件によって大きく差がつく費目です。
燃費や整備費、売るときの価格まで考えて選べば、長い目で見た総コストを抑えやすくなります。
購入を考えるときは、車両価格だけでなく、乗る予定の期間の総額で比べてみてください。
情報確認について
本記事は2026年11月確認時点で、AAA「Your Driving Costs」2026年版、Experianの自動車ローン市場調査(2026年第2四半期)、カリフォルニア州DMVおよび自動車修理局(BAR)の公式情報を主要な参照元として作成しています。
AAAの数値は、新車を5年間・7万5,000マイル走る条件で算出された全米平均の試算です。
維持費、ローン金利、保険料、登録費用、スモッグチェックの対象条件は、車種や地域、個人の条件、制度の変更によって変わります。
購入や契約の前に、AAA・DMV・BARなどの公式情報と、各保険会社・金融機関の最新条件をご確認ください。
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